日本食品をメキシコで売る?14年ぶりの食品添加物規制改定で確認したい事

日本のスーパーやコンビニで普通に売られている食品を、そのままメキシコへ持ってきて販売できるのでしょうか。
輸入というと、関税、物流、スペイン語ラベルなどを思い浮かべる人が多いかもしれません。
でも食品の場合、それより前に確認しなければならないことがあります。
その商品の中身そのものが、メキシコのルールに合っているか。
2026年8月21日、メキシコ保健省は、食品・飲料・サプリメントに使用できる添加物と加工助剤、その使用条件や衛生要件を定める新しい省令を連邦官報(DOF)で公布しました。新省令は公布後60営業日で発効し、2012年の旧省令と2013年、2016年の改正を廃止します。JETROは、食品添加物制度として14年ぶりの大きな刷新だと説明しています。
ニュースだけを見ると、かなり専門的な規制改定に見えます。
でも、日本の食品メーカーや、メキシコで日本食品を販売したい企業にとっては、かなり実務に近い話です。
日本で売れている食品が、そのままメキシコ仕様になるとは限らない
今回の新省令は、古いルールを一つにまとめただけではありません。
許可される用途、食品カテゴリー、最大使用量、表示、申請手続きなども見直されています。
例えばJETROが紹介している変更では、非アルコール香味飲料に使用される安息香酸・安息香酸塩の上限が、1リットル当たり600mgから250mgへ引き下げられました。また、これまで適正製造規範に基づいて使用できた一部の着色料にも、数値上限が設けられています。
つまり、日本で合法的に製造・販売されている商品でも、
同じ処方、同じ用途、同じ表示のままメキシコで販売できるとは限りません。
ここで重要なのは、「菓子なら大丈夫」「調味料なら簡単」と商品ジャンルだけで判断しないことです。
見るべきなのは、SKUごとの中身です。
まず確認したい、商品ごとの5つのポイント
メキシコで販売できる可能性を検討するなら、少なくとも最初に次の5点を確認した方がいいと思います。
1. 原材料と添加物
2. その添加物が、その食品カテゴリーで使用できるか
3. 使用量が上限内か
4. メキシコ向け表示に修正が必要か
5. 衛生・通関上、どんな手続きや確認が必要か
今回の新省令では、一般添加物、着色料、甘味料、酵素、加工助剤、香料などを11の付属書で整理しています。また、旧ルールで付属書に記載されていない食品へ添加物を使用してきた事業者にはCOFEPRISの審査が必要になるケースがあり、着色料などには別の経過措置も設定されています。
そのため、
「新ルールは○月○日からだから、それまでに全部変えればいい」
と一律に考えるのではなく、商品ごとに確認する必要があります。
「持っていける商品」ではなく、「検討しやすい商品」
ここで一つ注意したいのは、この記事だけを読んで輸入可否を判断できるわけではないということです。
食品規制は、商品、原材料、用途、使用量、表示、必要書類などによって変わります。
ただ、実務的には、最初からすべての商品を同じ深さで調べる必要もありません。
例えば10商品をメキシコへ持ってきてから考えるのではなく、まず日本側で10商品をスクリーニングする。
その中から、
規制確認がしやすいか。
現地価格が成立しそうか。
競合は強すぎないか。
物流費を含めても販売できそうか。
メキシコで試す意味があるか。
といった条件で3商品程度に絞る。
その3商品を、より詳しく確認してから市場テストする。
この方が、商品を運んだ後に「実はこのSKUは難しかった」と気づくリスクを減らせます。
「販売できる」と「売れる」は別の話
そして、ここが一番大事だと思っています。
規制をクリアしたからといって、その商品がメキシコで売れるとは限りません。
自社の菓子は輸入できるのか。
日本で使っている保存料はメキシコでも使えるのか。
スペイン語ラベルだけ直せばいいのか。
ここまでは、販売できるかの話です。
その次に、
メキシコでいくらで売るのか。
競合はいくらなのか。
日本食品店、スーパー、EC、飲食店のどこが合うのか。
誰が買うのか。
日本製であることに価値を感じてもらえるのか。
という、売れるかの話があります。
この二つはつながっていますが、同じではありません。
輸入できたのに売れない。
逆に、売れそうなのに規制で止まる。
海外進出では、この両方が起こり得ます。
メキシコの店頭を見ると、規制の話が急に具体的になる
メキシコシティで暮らしていると、日本の商品を見かける機会は以前よりかなり増えました。
日本食品店だけでなく、スーパーやECでも、調味料、菓子、飲料、即席食品など、さまざまな日本ブランドを見ることができます。
こうした規制を調べると、店頭の商品を見る目も変わります。
日本で売られている商品と、メキシコで売られている商品は、本当に同じ原材料なのか。
メキシコ向けに処方が変わっているのか。
ラベルだけが違うのか。
そもそも、輸入しやすい商品が優先的に選ばれているのか。
規制文書だけでは見えないものも、実際の店頭を見るとかなり具体的になります。
だから僕は、制度を読むだけではなく、
「メキシコでは実際に何が、いくらで、どこで売られているのか」
を重ねて見ることが重要だと思っています。
制度改定は、これから進出する会社にも関係する?
今回の改定は、すでにメキシコで商品を販売している企業だけの話ではありません。
これから日本食品を輸出したい企業にとっても、候補商品を選ぶ段階から新ルールを確認する理由になります。
新省令では、付属書の更新をCOFEPRISウェブサイトで3カ月ごとに行い、省令自体も6カ月ごとに連邦官報で公布する仕組みが示されています。つまり、今回確認して終わりではなく、今後の更新も見ていく必要があります。
だからこそ、
「まず商品を持っていってみよう」
より、
「まず候補商品を整理して、規制と市場の両方から確認しよう」
という順番の方が合理的です。
TokyoTacos View:海外進出は「持っていく」前から始まる
日本の商品を海外で売るというと、
輸出する。
現地の店に置く。
SNSで宣伝する。
というところを想像しやすいと思います。
でも、実際にはその前に仕事があります。
何を持っていくのか。
その商品はメキシコで販売可能なのか。
現地価格はいくらになるのか。
競合は誰なのか。
どの販売チャネルが合うのか。
そして、誰が買うのか。
TokyoTacosができるのは、食品規制そのものを法的に判断することではありません。
ただ、その前後を具体化することはできます。
例えば、
候補商品の現地競合調査
店頭価格調査
類似商品のリサーチ
販売チャネル調査
店舗・展示会リサーチ
類似商品の写真・動画収集
現地消費者への簡易ヒアリング
SNSやコンテンツを使った小規模な市場テスト
などです。
規制や法的判断が必要な項目については、専門家に確認すべき論点を整理した上で進めます。
「この商品、メキシコで可能性があるだろうか?」
「10商品あるけれど、どれから調べればいい?」
「実際に店頭では何が競合になる?」
まだ進出すると決めていない段階でも構いません。
メキシコで試す価値がある商品なのかを、まず現地から確認する。
そこから始めることができます。
日本の商品をメキシコで販売してみたい企業・ブランドの方は、TokyoTacosまでお気軽にご相談ください。
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参考資料・出典




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