top of page

メキシコ独立記念日はなぜ9月15日の夜が本番?Grito・ポソレ・現地での過ごし方

9月14日
読了時間: 7分

更新日:9月14日



メキシコの独立記念日は9月16日。これは公式にもそう書かれている。では、なぜ街が一番盛り上がるのは15日の夜なのか? メキシコに住んでいると、この2日が少しややこしい。


15日の夜に人が集まり、国旗が増え、音楽が鳴り、深夜前後に“Grito(グリト)”をやる。でも祝日の名前を見ると16日。初めて見ると「どっちが本当の独立記念日なの?」となる。


旅行者の方向けに先に結論を書くと、街が最も盛り上がるのは9月15日の夜。16日が正式な独立記念日だ。Gritoを現地で見たいなら15日夜だが、ソカロのような大規模会場はかなりの混雑を覚悟した方がいい。人混みが苦手なら、無理に中心部へ行かなくてもメキシコの独立記念日は十分楽しめる。


そもそもGritoって何?妻に聞いてみた

この記事を書きながら、メキシコ人の妻に「What is the Grito? What do you guys do?」と聞いてみた。返ってきた答えは、歴史の説明よりずっと生活に近かった。


大統領がPalacio Nacionalのバルコニーに出て、鐘を鳴らし、国旗を掲げ、独立運動の始まりを再現する。それを家族でテレビの生中継で見る。家ではパーティーをして、食べて、飲んで、メキシコの曲をかける。妻の言い方を借りれば、かなり端的に「We party, we eat, we get drunk.」だった。


もちろん家庭によって祝い方は違う。でも僕には、この説明の方がGritoの実感に近い。歴史的な国家行事であると同時に、今のメキシコでは家族や友人と食卓を囲む夜でもある。


Grito(グリト)とは?

INEHRMの公式カレンダーでは、9月15日は「Grito de Independenciaの記念」、9月16日は「メキシコ独立運動開始の記念」と整理されている。


Secretaría de la Defensa Nacionalも、Miguel HidalgoによるGritoが起きたのは1810年9月16日の未明だったと説明している。HidalgoはDoloresで鐘を鳴らし、人々に蜂起を呼びかけた。つまり歴史上の出来事だけを見れば、起点は16日だ。


妻との会話でも「当時、本当に“Viva México”と言ったのか?」という話になった。ここは面白いところで、現在大統領が行うGritoは1810年の言葉を録音再生しているわけではない。現代の国家儀礼として、独立の英雄たちを讃えながら再演されている。


それでも祝うのは15日の夜

現在のメキシコでは、15日の夜に大統領や各自治体の首長が鐘を鳴らし、Gritoを再現する。そのまま16日に入るため、感覚としては「前夜から本番へ続く」形に近い。こういった変化の形は19世紀末に固まったみたいだ。


Correos de Méxicoの公式解説によると、1896年にPorfirio Díaz政権下でHidalgoが鳴らしたとされる鐘がPalacio Nacionalへ移され、その年の祝賀は9月15日から始まった。以後、毎年その鐘を鳴らす慣習が定着していった。


「ディアスの誕生日に合わせた」は有名だが

この話には「Porfirio Díazの誕生日が9月15日だったから、Gritoを15日に移した」という有名な説明がある。ネット上では非常によく見かけた。


ただ、今回確認した政府の一次資料で確実に言えるのは、1896年に鐘がPalacio Nacionalへ移され、その年の祝賀が15日から始まったことまでだ。誕生日との因果関係までは、今回の資料だけでは断定しない。


独立記念日に食べたいポソレ

独立記念日の食べ物で、僕が真っ先に思い浮かべるのはポソレだ。メキシコに住んでいると「何色のポソレが好き?」という話になることがある。白、緑、赤。地域や店によっては黒いポソレもあり、僕は一通り食べている方だと思う。


しかし僕の中では、ポソレは圧倒的に赤。ポソレ・ロホが一番だ。これは完全に僕の好みだが、一軒だけ名前を挙げるなら、Casa de Toñoのポソレ・ロホが今のところ一番だと思っている。


昨年の独立記念日はショートフィルムの撮影日だったので、仕事終わりはチームでポソレを食べていました。
昨年の独立記念日はショートフィルムの撮影日だったので、仕事終わりはチームでポソレを食べていました。

仕事柄、日本からのクライアントがお昼ご飯に迷ったら、真っ先にこれを提案している。今のところ苦手だという人にあった事はない。むしろ、ほぼ全員が大満足してくれている。


ただし、9月15日に旅行者へ「Casa de Toñoでポソレを食べよう」と簡単には勧めない。この日はかなり混みやすいはずなので、当日に無理して狙う必要はないと思う。Casa de Toñoのポソレはいつでも食べられる。メキシコシティに複数日滞在するなら、むしろ15日を外して食べに行く方がいい。独立記念日に食べられなくても滞在中のどこかで一度は必ず、ポソレ・ロホを試してみてほしい。


9月15日のソカロは大混雑。僕なら行かない

2026年もメキシコシティでは9月15日の夜にGritoや無料ライブなどの祝賀イベントが予定されている。観光記事として書くなら、Zócaloや各Alcaldíaのイベントは確かに選択肢になる。


ただし、ここは僕自身の経験としてはっきり書いておきたい。


僕は大規模な無料ライブの人混みの周辺を歩いていたときに、もみくちゃにされスマホを盗られたことがある。だから僕自身は、独立記念日の夜にCentroの大混雑へ行こうとは思わない。


もちろん、行った人全員が盗難に遭うわけではないし、Gritoの熱気を現地で体験したい人には面白いと思う。ただ、人が密集して身動きが取りにくくなる場所では、スマホや財布を簡単に出せるポケットに入れない、撮影後すぐしまう、バッグを身体の前で管理するなど、かなり意識しておいた方がいい。特に旅行者には「無料ライブだから気軽に行こう」だけでは勧めたくない。


そもそも僕は、日本にいた頃から、みんなで一斉に盛り上がる国民的イベントがそんなに得意ではない。オリンピックもほとんど見ないし、ワールドカップにもあまり熱狂しない。初詣ですら、混む日を避けて前後にずらしたくなるタイプだ。


だから、これは独立記念日に限った話ではない。メキシコに来てから大きな祝賀イベントには何度か行ったし、人生で一度くらい、あの人混みと熱気の中でGritoを経験してみる価値はあると思う。でも僕自身はもう、何万人もの人と一緒にGritoを叫ぶより、家でポソレを食べているくらいで十分だ。


僕なら、家や友人のところで食べて飲んでテレビでGritoを見るか、混雑の規模を自分で選べる場所で過ごす。妻の実家でも、家でパーティーをして食べながらGritoを見るという。たぶん、そういう夜の方が僕にはメキシコの独立記念日らしく感じる。


それでも現地でGritoを見たいなら

Zócaloや各Alcaldíaではライブや家族向けイベントが行われる。出演者や時間、入場方法は直前に変更される可能性があるので、行く場合は当日のCDMXや各Alcaldíaの公式情報を確認した方がいい。


そして大事なのは、イベントを一つ消化することより、自分がどのくらいの人混みまで平気なのかを考えることだと思う。大人数のGritoは圧倒的な熱量がある。一方で、テレビ越しでも鐘、国旗、大統領のGrito、家族の食卓まで含めてこの夜を体験できる。


歴史の始まりを見に行くならDolores Hidalgo

もう一段歴史側へ振るなら、Guanajuato州のDolores Hidalgoも面白い。Miguel Hidalgoが独立運動を呼びかけた場所で、現在のGritoにつながる物語の出発点だ。CDMXの巨大イベントとはまったく違う角度から、9月15日と16日の意味を見ることができる。


TokyoTacos View|「どこへ行くか」より、どう祝っているかを見る

僕はこういう「住んでいると当たり前だけど、考えると変なこと」が好きだ。15日なのか16日なのか、という小さな疑問から、独立運動、国家儀礼、家族の食卓、ポソレ、そして今のCDMXまでつながっていく。


観光情報として無料ライブの場所を並べることはできる。でも僕自身がスマホを盗られた経験を隠して「ここがおすすめです」と書くのは違うと思う。僕ならCentroの大混雑には行かない。それでも行きたい人には、何が面白くて、何に気をつけるべきかまで伝えたい。


TokyoTacosでは、こういう現地で暮らして初めて出てくる疑問や会話から、メキシコを見ていきたい。Casa de Toñoのように、何度も使っているのに実は歴史を知らない場所もまだたくさんある。いつか店の人にも話を聞いてみたい。


追記

これを書いている最中、昨年の僕が何をしていたのかが、気になった。

スマホの写真を独立記念日周辺に合わせてチェックをすると、Sinai Segovia監督のチームと仕事をしていた。


これは、僕がメキシコで初めてショートフィルムに出演した時のものだった。



花火や街が賑わっているシーンが必要だということで知人を通して、高層ビルから風景を撮影していたり、出店が多く集まるフェリア(カーニバル)で撮影をしていた。



知らない人が大勢集まるようなパーティには当分顔を出していないが、同じ目標を持った仲間や友人達と時間を過ごせたのは、とても良い思い出だ。


Sinai Segovia監督に呼んでもらったので、Shorts Mexicoという映画祭へお邪魔しました。
Sinai Segovia監督に呼んでもらったので、Shorts Mexicoという映画祭へお邪魔しました。

去年の私はあまり独立記念日的な事をしていない。外国人としてメキシコに住み始めて6〜7年も経てば誰もがそんなものだろう。個人的にはそれぞれの楽しみ方で、この国の独立記念日をお祝いすれば良いと思う。


参考資料・出典

コメント


Mexico City–based Market Test & Story Production Studio

海外ブランド・創業者・ビジネスチーム向けに、メキシコでの市場テスト、現場記録、ストーリー制作をサポート。フィールドリサーチ、写真・動画制作、現地コーディネーションを通じて、メキシコでの活動を営業資産とブランドストーリーに変えます。

市場調査 / 動画 / 写真 / スタイリング / SNSコンテンツ / 現地制作支援

Legal
プライバシーポリシー
アクセシビリティステートメント
利用規約
返金ポリシー

  • LinkedIn
  • Instagram
  • TikTok

Mexico City, Mexico

© 2026 by TokyoTacos | Mexico City–based Market Test & Story Production Studio

bottom of page