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メキシコ人は月9回も外食する?日本食の消費が爆増!

9月3日
読了時間: 6分

メキシコに住んでいると、街のいたるところに食べ物がある。


レストランだけではない。タコスの屋台、メルカド(市場)の食堂、fondita(フォンダ/小さな大衆食堂)、comida corrida、道端の軽食まで、少し歩けば何か食べ物を売っている人に出会う。


ちなみに comida corrida は、スープやご飯、メインなどがセットになった、比較的手頃な定食のような食事を指すことが多い。fondita も家庭料理を出す小さな食堂という感覚で僕は使っているが、地域や店によって呼び方やイメージには多少違いがあると思う。



ただ、こういった記事を書いておきながら、僕自身はほとんど外食をしない。仕事でレストランに行けばオーナーに食事を出してもらったり、仕事先の人にご馳走になったりすることが多く、自分で「今日は外食しよう」と店を選ぶことはかなり少ない。


だから今回見つけた数字は、メキシコに住んでいる僕にとって、かなり意外だった。


外食は増加、支出も増やす予定が73%

レストラン予約サービスのOpenTableが発表した2026年のメキシコの外食トレンドでは、調査対象者は2026年に平均で月9回レストランなどで食事をする予定だと回答している。


さらに73%が2026年に外食への支出を増やす意向を示している。かなり大きな数字だ。


実際の予約データでも、2025年のメキシコではレストランでの食事が前年比14%増加したという。もちろん、これは「メキシコ人全員が月9回外食している」という意味ではない。


月9回という数字は、2025年9月にメキシコの主要都市を中心とする約1,500人を対象に行われた調査に基づく。またOpenTableのデータは、同サービスに登録され、予約されるようなレストランに偏る。


それでも14%増という予約実績は気になる。しかもメキシコには、OpenTableにはまず出てこない屋台や小さな食堂、メルカドの店が大量にある。予約レストランの外側にも、巨大な「外で食べる」世界があるからだ。


家計データでも「家の外で食べる」は大きい

OpenTableだけを見ると、予約するようなレストランに偏っているのではないかとも思う。そこでINEGI(メキシコ国立統計地理院)の家計調査も見てみた。


ENIGH 2024では、「家の外で消費する食べ物・飲み物」が世帯の主要な個別支出項目の一つになっている。つまり、外で食べることはメキシコの家計や日常生活の中で決して小さな存在ではない。


なぜ、そんなに外で食べるのか

街を歩いている実感から考えると、まず食べる場所と価格帯の幅がかなり広い。


屋台、メルカド、fondita、comida corrida、チェーン店、カフェ、普通のレストラン、ショッピングモール、そして高級店まである。


だからメキシコの外食市場を考えるとき、きれいなレストランだけを見ていると、この国の食文化の一部しか見えないのではないかと思う。


安ければいい、でもない

興味深いのは、外食が増えている一方で、消費者が「価値」をかなり意識していることだ。OpenTableの調査では、68%が2026年にハッピーアワーやお得なオファーをもっと利用したいと答えている。早い時間帯の食事も伸びている。


一方で、外食を単なる日常の食事ではなく「特別な時間」と捉える人も多い。6人以上のグループでの食事も増加し、78%が外食を「人とつながる方法」と考えているという。メキシコの外食は、単に家で料理をしないための代替ではない。家族や友人と集まる場所、誕生日や出来事を祝う場所、そして体験そのものにお金を使う場所でもある。つまり、「料理をしないから外食する」というより、メキシコでは「外で食べること」自体が社会生活の一部になっているように見える。


そして、日本食が伸びている

ここからTokyoTacosとして特に気になる数字が出てくる。


OpenTableによると、2025年のメキシコでは日本料理カテゴリーが前年比46%伸びた。レビュー内で「ramen」への言及は98%増、「おまかせ(omakase)」は30%増だったという。


ラーメンの強さは、個人的にもすごく分かる。以前、メキシコシティで行われた国際交流基金(Japan Foundation)のイベントで東京にある老舗ラーメン店のドキュメンタリーを観たことがある。上映が終わると、メキシコシティでも有名なラーメン店がスポンサーとして、参加者に特別サイズのラーメンを振る舞ってくれた。小さすぎる試食ではないけれど、それだけでお腹いっぱいになるほどでもない絶妙なサイズだった。映像でラーメンを見せられた直後に、実際のラーメンが出てくる。あれはかなり強烈だった。


僕自身が参加したイベントでは、日本の公的な文化交流機関と現地の店が、映画と実際の食体験を組み合わせて日本の食文化に触れるきっかけを作っていた。こうした取り組みが今の日本食人気にどこまで影響しているのかは分からない。それでも、メキシコで日本食の選択肢が増えているのを見ると、日本人として素直にうれしい。


最近はメキシコシティでも、メキシコ人が作る寿司からラーメン、居酒屋、日本人シェフの店、おまかせまで、日本食の選択肢がかなり広がった。僕自身も昨日、妻が近所で買ってきたメキシコのシェフが作った寿司を食べた。やはり、僕も日本人なので、その寿司のクオリティについてはここでは言及しない。ただ、寿司を買ってきてくれたことには感謝している。

日本人が経営していないお店では、酢飯を使わない寿司(?)を提供している割合が高い。
日本人が経営していないお店では、酢飯を使わない寿司(?)を提供している割合が高い。

話が少しずれてしまったが、日本食がメキシコで広がっているのは、単に「日本食が人気だから」だけではなく、メキシコ側の外食文化そのものの厚さと組み合わさっているのかもしれない。

日本の飲食ビジネスには何が見える?

ここで重要なのは、「メキシコでは日本食が人気らしい」で終わらせないことだと思う。


日本から食品や食材を売りたいなら、どんな料理・価格帯・店で使われるのか。


日本のレストランがメキシコに出店したいなら、誰が、誰と、どんな場面で食べるのか。


個人オーナーが移住と出店をセットで考えるなら、街や客層、仕入れ、価格まで見なければならない。


いきなり大きく出店する以外にも、現地の店やシェフへのヒアリング、競合店の観察、食材やメニューの小さなテスト、イベントやポップアップ、SNS動画で反応を見る、といった入り方も考えられる。


TokyoTacos View

僕が今回あらためて感じたのは、メキシコの「外食市場」は、そのまま「レストラン市場」と同じではないということだ。街角の安い食事から、家族との外食、SNSで見つける店、記念日のレストラン、そしておまかせまで、一つの大きな食の市場としてつながっている。


だから日本から食品をメキシコで売りたい人、日本食レストランを出したい人、メキシコの飲食市場を調べたい人にとって、「日本食が人気らしい」だけでは足りない。


誰が、どこで、いくらで、誰と、どんな理由で食べるのか。さらに、その商品が屋台やメルカドに近い市場なのか、家族で行くレストランなのか、それともおまかせのような体験型の市場なのか。同じ「食」でも入口はかなり違う。


TokyoTacosでもこれまで、メキシコで飲食店の撮影やコンテンツ制作をしたり、現地で店や市場を見たり、人に話を聞いたりしてきた。


だから今後、日本の食品や飲食店についても、「いきなりメキシコに出店する」ではなく、まず現地を見て、話を聞いて、小さく試してみるところから考えるのは面白いと思っている。


メキシコの食市場について一緒に調べたいことがあれば、TokyoTacosへ。


参考資料・出典

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Mexico City–based Market Test & Story Production Studio

海外ブランド・創業者・ビジネスチーム向けに、メキシコでの市場テスト、現場記録、ストーリー制作をサポート。フィールドリサーチ、写真・動画制作、現地コーディネーションを通じて、メキシコでの活動を営業資産とブランドストーリーに変えます。

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